「キウイの葉はいい ハートの形をしているね」
5月のそよ風
緑の木々に囲まれた 成井窯さんの工房で
手渡された顔料と象られた器を受けて
高橋恭司さんは描かれる
街中の壁に描かれるグラフィティのようなもの
抽象画のような
ときには 哲学書から飛びこんでくる 一文字が描かれたり
いまここにあるものと これまで辿ってきた軌跡
そのとき そのとき 思い浮かぶこと
受けて 放って
瞬間瞬間が縁どられて
往復書簡のように 作業のやりとりが重ねられる
登り窯の炎が 知ること 描くこと
成井窯さんで象られ 高橋恭司さんに描かれて 登り窯で焼成され
生まれた 器は
「炎画」ヒビ と名付けられ
この共同制作がはじまって
数回に渡って 窯から出されています
益子の成井窯さん
成井恒雄さんの遺志を受け繋ぐ陶工さんたちによって
今も登り窯に火を点け続けられています
「皆が元気にいられたらいい ひとりではできないけれど 皆んなで
できたら」と
形づくられるのは それぞれの陶工さんの手によるものだけど
私たちは 成井窯 で作られた器を使わせていただいて
日々の料理や色々を受け止めてもらう
「益子の土には欠点が多い ひとの術は欠点を乗り越えて克服できる」
欠点を愛でて 憧れをもって
やっぱりこの場所で と営みをつづけられる
凸凹も おおい隠すのでなく
あるままに受け容れて
いずれまるくなって
あたらしく気がつくこと
「いつかは焼きものにも絵を描きたい」と思われていた
益子の御出身の写真家の高橋恭司さんが出逢われたのが成井窯さんでした
益子で繋がれてきた成井窯さんの形
高橋恭司さんの描かれる色 思想
登り窯の炎
新たな色を呈して生まれるのが 炎画 ヒビ です